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コラム
Volume
06

デザインテンプレートを使わない理由

ホームページ制作(Web制作)でデザインテンプレート(雛形)を使うということはどういうことなのか、どんなデメリットがあるか、ご存知ですか?ホームページ制作をご検討の方はぜひご一読ください。

WordPress(ワードプレス)やホームページを自作できるサービス、格安のホームページ業者など「テンプレート」と呼ばれる、雛型にテキストや写真を流し込むだけでホームページができあがるという定型的な作り方がありますが、それを利用することで生じる問題やリスクをまとめてみました。

テンプレートを使うメリット

まずはメリットから。テンプレートでのホームページ制作にはどのようなメリットがあるでしょうか。以下にピックアップしてみます。

  • スピーディーにホームページを開設できる
  • 初期費用が安い、あるいは無料

わかりやすいですね。ざっとメリットと言えそうなものはこのあたりだと思います。既にある型から好みのものを選んでテキストなどのコンテンツをどんどん流し込んでいくだけですので、スピード感ではオーダーメイド制作は敵いません。

テンプレートを使うことのデメリット

では、デメリットはどんなことが考えられるでしょうか。

  • 使い回しなので他社と同じようなデザインになる
  • デザインのクオリティが低いこともしばしば
  • 仮に見た目がよくてもSEO対策ができていないことも
  • できることが枠組みの範囲内に限られる
  • 不具合が起きた場合に原因究明するのが困難

メリットに比べて多彩ですね!
それぞれ順に見ていきたいと思います。

使い回しなので、他社と同じようなデザイン・構成になる

テンプレートを使う以上、他社や他店など、どこかのホームページと似たようなデザインや雰囲気になることは避けられません。本来は他社や他店との差別化を図ることが大切ですが、それを実現するのはほとんど不可能です。もし実現できたとしても、オプションにオプションを重ねてテンプレートからかなり変更することになり、結局は初期費用が安くつくというメリットが失われます。

デザインのクオリティが低いこともしばしば

質の高いテンプレートもなくはないですが、多くの場合、それは有料テンプレートの場合です。無料で選べるものは総じてクオリティが低く、中には「これはいつの時代のデザイン?」「どのテンプレートもほとんど同じデザインに見える…」「色と写真しか変わってない…!」と言いたくなるようなものも。
ユーザーに良い印象を与えられないばかりか、ともすると悪い印象を与えかねません。それでは本末転倒ですね。

仮に見た目がよくてもSEO対策ができていないことも

中には見た目の完成度が高いテンプレートもないことはありません。しかしながら、汎用性を高めることを重視した結果(テンプレートである以上、汎用性の高さは重視せざるを得ません)、SEO(Googleなどの検索エンジン対策)のことが考慮されていないこともよくあります。

また、ページの読み込み速度などは考慮されておらず、ユーザーをイライラさせ、Googleの評価を下げる設計になっているものもよく見かけられます。2021年6月中旬からは、ユーザー エクスペリエンスを定量化した「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」が導入され、ページの表示速度(LCP)、ユーザー操作への反応性(FID)、視覚要素の安定性(CLS)がラインキング要因に追加されましたので、これまで以上に高度な設計やコードの質が求められます。
ホームページはアクセスがあってはじめて活きてくるものですので、検索結果に表示されなくては制作する意味さえ曖昧になってしまいます。

できることが枠組みの範囲内に限られる

ホームページを制作するとなると、様々な“やりたいこと”が出てくるものです。しかしながら、テンプレートは既成の「型」にあてはめて作るわけですから、その枠組みの中でできることに限定されてしまいます。
初期はそれでもよいかもしれませんが、運用を続けるのであれば、早かれ遅かれ機能や表現の制約による「やりたい形にできない」という問題に直面することになるでしょう。

不具合が起きた場合に原因究明するのが困難

特にWordPressのテンプレートに言えることですが、もし不具合などの問題が発生した場合に解明が困難な可能性があることを認識しておく必要があります。
開発者のスキルが低く、セキュリティ上の欠陥があったり、設計上の問題を抱えていることも少なくありません。無償や格安で提供されているものに、迅速な不具合解消のアップデートは期待できません。また、WordPressのバージョンアップにあわせてテンプレートが更新されない場合には、セキュリティリスクに目をつむってWordPress本体の更新をせずに(古いまま)使い続けるか、テンプレートを別のものに切り替えられないかを検討する必要があります。

不具合に直面し、どこか別の制作会社に解決を依頼したとしても、調査・診断には費用がかかる可能性が高いです。

まとめ

デザインテンプレートを使えば、安くホームページが作れる点が魅力的に見えるかもしれません。
しかし、テンプレートは何度も繰り返し使われます。「どこかの会社のホームページにそっくりだな」と思われることもあるかもしれません。あるいはどこか評判の悪い会社で同じテンプレートが使われているかもしれません。

テンプレートを使ったホームページ制作では、ビジネスをよい結果に導くことは難しいでしょう。ビジネス用途のホームページを運用するのであれば、初期費用が高く感じられたとしてもオーダーメイドに投資すべきではないでしょうか。長期的に考えれば、これは間違いのない事実だと考えています。

最後にもう一点、テンプレートと書いてない場合でも、制作会社の慣例として、当たり前のようにテンプレートが使われている場合があります。テンプレートを使用するのかどうかを、契約までの段階で確認されることをおすすめします。