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コラム
Volume
29

【SEO検証】記事のリライトで検索結果の上位表示は狙えるか?!

オウンドメディアがSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策として効果的といわれますが、検索結果の表示順位に表示されない/上がってこないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。今回は、記事のリライト(書き直し、更新)でどのくらい結果が変わるのかを検証してみました。

どうすれば自社メディアのコラムがGoogle検索結果に上位表示されるのか、リライトだけで結果は変わるのか。SEOを意識する誰もが気にしたことがあるであろう、リライトによるSEO対策について、改めてガチで検証してみました。

記事のリライトとは

オウンドメディアを運営していくと、「記事を書いているが結果が伴わない」、「キーワードを意識してライティングしても検索結果に表示されない」といった悩みがつきまといます。
そんな時に有効だとされているのが記事の“リライト”です。

リライトとは、記事のテーマなどの大枠は変えずに、文章を書き換えたり書き加えたりすることをいいます。Googleはユーザーに役立つコンテンツを評価しますので、ユーザーにとってより利便性の高い内容に書き直すことで、結果としてGoogleからの評価アップが狙えます。リライトの際には、文章の読みやすさや理解のしやすさ、コンテンツの品質などに注意を払いましょう。

リライトで気をつけたいこと

リライトするにあたってまず気をつけたいのは、必ずしも順位が上がるとは限らないということです。改善しようと思ってリライトをしても、順位が下がってしまうリスクもあります
したがって、まずは 20位~30位あたりの記事で取り組んでみることをおすすめします。理由は以下の通りです。

  • 順位が上がった時のインパクトが大きい
  • 失敗してもダメージが少ない
  • 順位が上がることを確認しやすい

順位が上がった時のインパクトが大きい

例えば、25位の記事がリライトにより20位になれば、検索結果で3ページ目だったものが2ページ目というように、大きなインパクトが得られます

また、5位から1位へといったように、既に上位表示されている記事の順位をさらに上げるのは難易度が高いですが、それと比べると 20位から15位へ上げるのは難易度が下がります。上位表示されている記事は質が高いものが多いので、それらに勝とうとするのが難しいのは当然のことといえます。

失敗してもダメージが少ない

逆に、25位の記事をリライトしたことによりGoogleからの評価が下がってしまったとしても、もともと検索結果で3ページ目と見てもらえる可能性はそう高くありませんので、ダメージが少ないです。元の記事に戻したり、再リライトする等の対策で対処が可能です。

したがって、リライトを行う場合の、社内でのコンセンサスもとりやすいと思います。

順位が上がることを確認しやすい

有料のSEOツールなどで順位確認することもできますが、20位~30位あたりであれば、競合の記事の順位を見つつ自力で順位確認することも容易です。
この点については、特に予算の限られた小規模事業者にとっては大切な要素のひとつかもしれません。

今回の検証内容

さて、今回の検証では、自前で運営している記事から検索順位の芳しくない9つの記事をピックアップしてリライトしています。元の検索順位は、8位~圏外を対象としています(本記事では検証のため130位までを圏内、それ以降を圏外と設定しています)。

まず予め、各記事についていくつかの複合キーワード(例えば「ランチ 和食」といったように2語以上からなるキーワード)で、リライト前に調査を行いました。意図したキーワードと、Google検索結果でサジェストされた類似キーワードの内、関連性の高いものをピックアップし、すべての結果をシートにまとめます。リライトから約1ヶ月後にどのように順位変動が起きたかを確認します。

選定キーワードと記事の実際の順位

9つの記事と25の複合キーワード(以下、キーワードという)の中で、事前の調査では、最も順位の高かったキーワードで 8位、圏外キーワードが11個というばらつきのある状態でした。

お客様の記事をリライトすることも多々ありますが、今回は自前の記事で検証しますので、順位下落もそれほど痛いものではありません。思いきったリライトでどこまで順位を上げることができるか、楽しみです。

リライトの方法と内容

公開から数年が経過した記事がほとんどですので、まずは一通り目を通し、気になる点を修正・変更など書き直しをしました。公開からずいぶん時間が経っているので、ユーザー目線での確認もしやすく、細かなところがいろいろ気になります。
また、古くなった情報は最新のものに更新し、説明不足と感じた箇所を加筆しました。そもそも内容や項目が不足している場合は、見出し単位で大幅に書き加え、中にはページボリュームが120%くらいに膨らんだ記事もあります。

記事の公開時に曖昧になっていたキーワードや、当時選定していたキーワードと実際にユーザーが使っているキーワードとの食い違いが見つかった場合は、キーワードを調整したり、見出しのキーワードを見直したりしています。

9つの記事の内、2つはページタイトルから見直しました。理由は、検索でユーザーが使うキーワードとズレが生じていたとことや、冗長で曖昧な表現だったりしたためです。明確かつ簡潔で、SEOキーワードを含んだものに書き換えました。

これまで以上にユーザーのニーズに応えられるように、更新・補完・補足を行ったということになります。

リライトの結果、検索順位は

結果からお伝えすると、事前調査した25のキーワードの内、15は順位の改善が得られました。1キーワードは28位 → 50位と22ランクの大きな下落がありましたが、同ページは別のキーワードで38位 → 19位と大幅な改善が見られました。

  • 15のキーワードは順位をUP
  • 1つのキーワードで順位下落
  • 11の圏外キーワード内、3つは順位UP
リライト前後の順位の変化

予想通り、一定の範囲内の順位だった記事は着実な改善が見られました

しかしながら、圏外の記事の検索順位向上は簡単ではないこともはっきりしました。圏外ということは、そもそも競合と比較して元の記事の質が低いということですので、そう簡単には順位アップできないのは容易に想像できますね。とはいえ、それなりに時間をかけたのでもう少し結果が出るかなと期待したのですが、現実は厳しいです。圏外記事はまた折に触れて調整していきたいと思います。

まとめ

劇的な順位アップから大幅ダウンまでありましたが、今回の検証により、現時点で少なくとも一定の効果があることは改めて確認することができました

新しい記事を作成することもよいですが、記事数が増えてくるとネタを考えること、内容が重複しないように書くこと、管理することを含めてさまざまな面で大変になってきます。しかし、リライトであれば新記事を作成するよりも少ない工数で、サイトの評価を上げる可能性を秘めています。

ターゲットとするユーザーが使用するキーワードを選定し、適切かつ自然に織り込みましょう。そして、競合のサイトにはない情報や独自の視点、不足している内容を追加するなど、より有益なページになるように工夫を重ねることで、検索エンジンからの評価アップが期待できます。

キーワードの詰め込み過ぎなど検索エンジンを意識しすぎるのではなく、どうすればユーザーに読んでもらえるかを考えると、自然と結果が伴ってくるものだと思います。

文章の書き方や、Web向けのライティングについては、「ユーザーに読んでもらえる文章の書き方」で詳しくご紹介していますので、参考にしてください。