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中小企業のWebサイトが成果につながらない理由
多くの企業が、Webサイトを持ちながら「事業の役に立っている実感がない」と感じています。問い合わせや採用、営業につながらず、作った意味が見えない状態です。
この記事では、そうした状況がなぜ起きるのかを整理します。SEOなどの技術的な話ではなく、デザインなど見せ方を変える前に置き去りにされがちな、サイトづくりの基礎や土台に目を向けます。
企業の規模を問わず、Webサイトに関する悩みはさまざまです。
文章や構成を見直しても成果が出ず、「何を変えればいいのかわからない」と時間だけが過ぎてしまう企業は少なくありません。一方で、「とりあえず作ったまま使われていない」「何を載せればいいのか決められない」という状態に陥ってしまっていることもよくあります。
悩みは多少違うように見えても、根本にある問題は共通しています。表現や機能の話に入る前に、事業としての前提や考えが十分に整理されないまま制作が進んでしまうことです。
その結果、リニューアルをしても、更新を行なっても方向性が定まらず、「変えたのに状況が変わらない」という状況になりやすくなります。
目的が曖昧なまま制作をはじめてしまう

中小企業のWebサイト制作に関わる中で感じるのは、Webサイトが事業の中でどういった役割を担うのかがはっきりしないまま、制作がはじまってしまうケースの多さです。
「必要だから」「周囲も持っているから」といった曖昧な理由のまま着手し、集客や採用、信頼形成といった言葉は出てくるものの、役割の優先順位までは整理されていません。
その結果、何を掲載し、何を削るべきかの判断ができず、完成後も活用されにくい状態になりがちです。
問題は、制作技術そのものではなく、目的や優先順位が曖昧なまま制作がスタートしてしまう点にあります。
事業の価値が言語化されていない
また、自社の事業をどのように説明すればよいのか、整理できていないことも多いです。価値ある仕事をしていても、それが第三者に伝わる言葉に落とし込まれていなければ、Webサイトでうまく伝えたり、Webサイトをよりよいものにすることは難しくなります。
他社との違いがうまく説明できない、強みを言葉にすると抽象的になってしまう。そうした状態のまま制作に入ると、内容が薄く、事業の輪郭や価値が伝わりにくくなります。これは文章力の問題ではなく、事業理解と整理の問題です。
基礎工程を削ってしまう予算や時間的制約
日本では、まだまだ広報・広告、ブランディング、デザインといった分野に予算が回されにくい企業が多くあります。特に、中小企業ではこの傾向が強いと感じます。
どのような企業であれ、予算には限りがあります。とはいえ、予算が厳しすぎたり、スケジュールがタイトであれば、目に見える作業が優先されるのはごく自然な流れです。限られた条件の中では、まず形をつくることが求められ、ページ制作やデザインといった目に見える成果物に工数が割かれます。
その一方で、目的整理や価値の言語化、情報設計といった工程は成果物として見えにくく、どうしても後回しになってしまいます。その結果、完成したサイトは存在していても、事業の中で活かし切れない状態になりやすくなります。
予算や時間に余裕がない状況では、こうした事態が起こりやすいと考えるのが自然でしょう。
成果を出していくには

ここまで見てきたように、Webサイトが成果につながらない原因は、必ずしも個々の表現や機能にあるわけではありません。多くの場合、制作に入る前段階で、目的や価値、どのようなユーザー(読み手)を主要なターゲットにするかといった前提が十分に整理されていないことにあります。
重要なのは、Webサイトに何を期待し、事業の中でどのような役割を担わせたいのかをしっかり考えることです。その上で、自社の価値がどのような場面で判断材料にされるのか、ユーザーは何を基準に意思決定するのかを整理していきます。
こうした前提が、社内や制作会社と共有されていれば、制作や改善の過程で迷いが生じにくくなり、限られた条件の中でも明確な軸をもとにした判断が可能になります。逆に、ベースとなる軸がないままでは、手を入れても成果を出しにくくなります。
まとめ
中小企業のWebサイトが成果につながらない背景には、制作や運用での工夫以前に、基礎や土台づくりの段階でのつまずきがあります。
とりあえず作る、制作会社に任せきりにする、目的が曖昧なまま進める。そうした判断の積み重ねが、結果として機能しないサイトを生み出してしまいます。
一方で、事業の目的や価値、ターゲットユーザーやその意思決定基準を整理し、それらを基準に制作を考えることで、伝え方も伝わり方も変わります。Webサイトは、文章や写真を寄せ集めたものではありません。事業をどう捉え、何を優先し、誰に何を理解してほしいのか。その判断の積み重ねが、最終的にWebサイトの形として現れます。どこから、何を見直すべきかを見誤らないことが、成果への現実的な第一歩になります。
シンカーデザインでは、お客様との丁寧なヒアリングを通し、事業の考え方や前提を整理したうえで、ブランディングやWeb制作をサポートしています。



