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コラム
Volume
26

ウェブ制作の料金があいまいなのはなぜ?

多くのWeb制作会社のWebサイトには料金表がなかったり、「●●万円〜」といった記載になっています。「制作会社にはなぜ価格表がないの?」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
多くの方が同じ疑問を抱いたことがあるであろうこの疑問について、本当のところを(できるだけ平たく)お伝えしたいと思います。

制作料金を即答できない理由

制作のお問い合わせをいただく際、ほとんどの場合に「料金を教えてください」や、「ホームページを作りたいのですが、いくらかかりますか?」といわれます。

気持ちはとてもよくわかります!自分が何かをお願いしたい時も、費用感は知りたいですので…。でも、聞かれてもちょっと困るというのが本音です。
ある程度の(幅の広い)費用感をお伝えすることはできなくもないのですが、お客様が求る答えではないと思います。結果、「具体的な内容とご予算感を教えてください」というような、質問を質問で返すようなことになってしまいます。

なぜ料金をお答えできないか。それは、オーダーメイドだからです。
Web制作とは、お客様ごとにお話を伺いながら、実現されたいこと、抱えていらっしゃる課題、事業内容や商材などを理解・整理した上で、ひとつひとつ解決策を導き出すように制作を行なうものです

例えば、10ページのWebサイトを制作することが決まっている会社が2社あるとします。
A社は情報量が多く、ブランディングに力を入れたいのでデザインもしっかり作り込んでほしいし、アニメーションエフェクトも盛り込んでいきたいと前のめりです。
B社は社員が手作りしていたものを、もう少しそれらしく整えてスマートフォン対応したいというミニマムな希望です。

少し考えていただくとお解りいただけると思うのですが、同じ10ページでも、A社のWeb制作に必要な費用とB社に必要な費用はまったく異なります。
つまり、オーダーメイドである以上、同じ10ページであってもかかる費用はピンキリなのです

何をどこまで実現したいか

また、ページ数はもちろんですが、デザインをどこまでこだわるか、SEO対策(検索エンジン対策)にどれほど力を入れるか、WordPressを使用する/しない、お問い合わせフォームや検索などの機能の有無、写真撮影の有無や量、アニメーション・その他のユーザー体験の質などをどの程度までつきつめるか、といった要素でも費用は変動します。手をかけはじめればいくらでも作り込んでいくことはできますし、当然それだけ費用がかかります。

先の例でいえば、B社のような「とりあえず会社として最低限」というようなご希望であれば(Webサイトとしての結果が出せるかどうかは別として)費用は抑えることが可能です。逆に、A社のようにつきつめていく場合は、青天井といってもいいでしょう。

お客様の視点に立てば料金を提示したいところなのですが、明示したくてもできない理由は、ここにあります。何をどこまで作り込むのかが費用を大きく左右するがゆえに、ご希望とご予算を聞くしかないのです。ほとんどの場合、ご予算には限りがあります。そのご予算の中で、何をどこまでどうできるのか、逆算してお見積りしています。

家電や自動車のように、決まった枠の中で作られた“既製”のものであれば、料金を尋ねられても「●●万円程度です」と答えることもできると思いますが(それでも、例えば自動車ですと車種によっては最下位モデル300万円~最上位500万円といった大きな開きがありますが…)、Web制作の場合にはそういうわけにもいかないのです。

家を建てる時をイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、同じ延べ床面積でも、間取りや建具、建材の種類やしつらえによって費用は大きく異なります。オーダースーツを作る時も同じで、5万円でも作れるでしょうが、50万円払っても足りないこともあります。本当にお客様の希望とご予算次第といえます。

Web制作は本当に高いのか

Webサイトの制作には上述したような背景があるのですが、一定数のお客様は、見積書を見て「高いな」という反応をされます。

しかし、よく考えてみてください。モノクロ複合機の購入でも50万円、事務所の家賃が15万円/月だとしても年間180万円、営業車の購入に300万円、社員ひとり雇うのに年500万円…。それでいてWebサイト構築の予算は30万円、というのは低く見積り過ぎていると思います。専門職の手で膨大な手間と数ヵ月の期間をかけて作るものが、社員1ヵ月分のコストと同程度というのは計算が合いません。

仮にWebサイト構築に100万円かかったとしても、社員ひとりを1年雇用に要する人件費の20%(年500万円の場合)でしかありません。しかも、Webサイトは社員とは違い、24時間365日対応が可能であり、社員教育も必要ありません。機械ものと違っていつでも比較的容易に改修できますし、古い情報を更新したり新しい情報を追加することも可能です(もちろん相応のコストはかかります)。

コラム『ホームページ制作の見積を複数とったら、金額が全然違うのはなぜ?』でもコストについて書いていますので参考にしてください。

Webサイトはコストか投資か?

私どもにご相談いただくのは中小企業様が多いため、予算ありきということが多いのは事実です。ただ、2通りのタイプがあります。

  • ●●万円で収めたい(上限)
  • ●●万円くらいだといいが必要なら上回ってもOK

前者と後者では同じ“予算ありき”でも考え方に根本的な違いがあります。
それを表しているのが、前者は本来必要な費用感よりも少ないことが多く、後者は提示される予算自体が高い(多い)という傾向です。予算がある程度決まっているという点では同じでも、後者は「投資」と考えられていることが透けて見えます。

中小規模のプロジェクトなどでも数百万円ということもざらにありますし、大手企業のWebサイトなどでは1,000万円超えも当たり前です。もちろん、大企業と比べて中小企業では予算も限られてきますし、莫大なページを作らないといけない大企業とは条件も異なりますが、Webサイトは「コスト」ではなく、「投資」です。「コスト」という捉え方をしている限り、「高い買い物」という感覚に捕らわれてしまいます

まとめ

Webサイトは作ったから、リニューアルしたからといって必ずしもすぐに成果が出るわけではありません。基本的には中長期的な視点が必要になりますので、なかなか成果を実感することができないかもしれません。
しかし、金融投資の複利効果のように、Webサイトへの投資が限定的である場合、その効果も限定的になる傾向が強くあります

また、かけられる費用(予算)が多ければ、それだけできることが多くなり、少なければできることや選択肢が狭くなる、と考えていただくとよいと思います。

ただ、数多の制作会社がある中で、見積り金額が同じであれば費用と品質が同レベルかというと、必ずしもそうではないのが現実です。そこがまたWeb担当者を困らせてしまう要因のひとつです。制作会社の選び方については以下の記事を参考にしてください。